宮の坂ドライブイン

あった事を書く

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 駅の近くで朝にだけ現れるらしい餃子の屋台を見に行きたいね、という話を昨晩同室としていて、だから九時に目覚ましをかけてそれはきちんと鳴ったのだけれど起きられなかった。私が起きたのが十時過ぎで、その時はまだ寝ていた同室に声をかけて、十時であることを伝えてから、あの屋台はまだいるかな、と尋ねたらいないよ、と言ってまた寝てしまうので、私は一人でバスに乗ってでかけた。朝昼兼用でネパールレストランのかぼちゃのカレーを食べて、近くのアウトレットモールを冷やかして、水道の博物館に行く。博物館の裏手は小さな山のようになっていて、軽い登山のようなことをする。少し上ると展望台で、曇りで静かで、私の他には誰もいなくて、部屋に帰りたくないと思う。

 そう思う事がこちらに来てから多いように感じられて、お金と体力を浪費してでも外に留まりたいと思うのは日本ではなかったことで、ストレスがあるんだろうな、と思う。